ステレオの音を原音に近づけたければBBEを使おう

2019年11月19日

BBEとの出会い

僕がBBEと出会ったのはもう20年以上前のことです。オーディオショップではなく、楽器屋さんで『こういう機器があるよ』と教えてもらいました。

購入してステレオに接続し、早速鳴らしてみると、スピーカーを覆っていた布を取り払ったように、音が生々しくなるのに驚いた記憶があります。

 

BBEとは何か

BBE社の代表的な技術である「BBEソニックマキシマイザー」は、分類すればエンハンサーというエフェクターの一種です。
「BBE」は会社名ですが、単にBBEと言った場合、おおむね「BBEソニックマキシマイザー」のことを指します。

基本的な動作原理はBBEの公式サイトに書いてありますが、簡単に言うと高域に対して中域・低域を遅らせ、音の立ち上がりを改善して再生音をより自然な音に近づけるというものです。

BBEは元々スタジオ録音やテレビ音声などの補正用ですが、オーディオ用として使う場合、CDプレイヤーやDACなどの出力機器とアンプの間に接続します。

BBEを通すと、楽器のひとつひとつが明確に分離し、リアルに浮かび上がってきます。音の立ち上がりが正確になり、埋もれていた音まで聴こえてきます。
音楽のリアルさや生々しさ、みずみずしさがよみがえります。

 

BBEに対する誤解

インターネットでBBEについて検索してみると、BBEについて誤解された情報が時々見受けられます。

・BBEはエキサイターの一種である
・ドンシャリにする機器
・最初は音が良くなったと感じるか、次第に聴き疲れしてくる
etc.

BBEはエキサイターではありませんし、ドンシャリにする機器でもありません。

エキサイターは均等な倍音を合成します。均等な倍音は倍の歪みとなり、長時間聴くと疲れます。
グラフィック・イコライザーは特定の周波数をブーストしたりカットしたりしますが、音楽は常に変化しています。曲の特定の部分では良くても、その他は無用なブーストやカットをしてしまい、変化には対応できません。

BBEについて否定的な意見を読んでいると、こんな2万円程度の機器を使うだけで音質が改善することを認めたくない、あるいは商売に差し支えるという人が書いているんじゃないかと思ったりもします。

 

BBEの動作原理

身近なところでは、BBEはポータブルオーディオによく使われています。圧縮音源を自然な音で再生させるのには効果的です。
ピュアオーディオで使う人もいますし、PCオーディオにも合うと思います。

僕が現在PCで使っているスピーカーは3セットありますが、BBEを使うと安価なスピーカー(ペアで定価45,000円位)でもちょっと高めなスピーカーに匹敵するくらいの音で再生できるので、高いスピーカーを買っても値段ほど良くなった気がしないという困った面もあります。

アンプやCDプレイヤー、スピーカーを高級品にすればするほど、音の立ち上がりは元の音楽信号により忠実になるのでしょうが、それ以上には絶対になりません。

BBEは中域・低域の信号を高域に対して遅らせて通過させ、高域が時間遅延が生じないように位相を補正し、さらに倍音も補正します。結果、極めて原音に近い音が再生できるようになります。
と、カタログには書いてあり効果は実感していますが、どういう理屈かはいまいち理解が...(笑)

手元に1992年に発行されたBBEのカタログがありますので、一部を引用して抜粋します。

『BBEはグラフィック・イコライザーでもエキサイターでもありません。何故か? それはBBEでないと次のようなことができないからです。

1.適切な位相補正 ‥‥‥ イコライザーでは不必要な位相変化が起こり、音エンベローブに歪みを生じさせて原音を変えてしまうことがあります。

2. 絶えず変わるプログラムに対する完璧な反応‥‥‥イコライザーではユーザーが設定した音調曲線(周波数帯域)は固定され、特定周波数のブーストやカットは 入力されてくるプログラムが次々と変わってもそれに対応して変化しません。
もしプログラムの高音部が不足していてイコライザーでブーストをかけると、ノイズその他の不要な音もブーストされてしまいます。

BBEは音信号によって引き起こされる位相変化、音レベルの減退といったスピーカーによるあらゆる音再生上の限界を自動的に克服できるように設計されています。(中略)

BBEはエキサイターとも違います。エキサイターは均等な倍音を合成し、聴く人の耳には人工的な音を伝えます。均等な倍音は正確には倍の歪みで、鋭角的な音となり長時間聴いていると疲れてしまいます。

BBEを使用すると音源の定位が前方に移動することが分かります。BBEにピアノやパイプオルガンの音を入れてみてください。音色のバランスがしっかりしていて、元の音のイメージが全く損なわれていないことにが分かるはずです。(中略)

BBE システムの動作原理は、アンプとスピーカーをトータルな音響システムと考え、アンプ入力前後(BBE)内で信号処理を行うことにより、音の特徴を決定づける「音の立ち上がり部分」の正確な再現を図り、再生音を原音に限りなくかつ極めて自然に近づけるシステムです。

音の立ち上がり特性の図

そして、あらゆるダイナミックスピーカーの位相と振幅の歪みを補正する2つのシステムの相乗効果が、他に類をみない劇的ともいえる音質改善を実現しました。

1.位相補正システム 位相ズレに対しては入力信号を低域/20Hz~150Hz、中域/150~2500Hz、高域/2500Hz~20000Hzの3つの独立した信号に分割します。
まず高域を通過させ、次に中域はバンドパス・フィルターによって約0.5ミリセカンド遅らせ、低域はディレイとローパス・フィルターによって約2.5ミリセカンド遅らせて通過させます。
このように時間遅延特性を持たせ、高域ほど時間遅延を生じさせないようにすることで位相補正を行い、スピーカーのトランジェント歪みを最小限にすることにBBEは成功しました。
つまり、アンプとスピーカー間で発生する負荷抵抗の変動に伴って生じる位相ズレはよほど特殊でない限りどの様な機器の組み合わせでもほぼ一定の特性にプロットできることから、そのズレの前段階で正反対の特性を与え、相殺補正しようということです。

2. 倍音補正システム 上記の位相補正システムで分割され最初に通過する2500Hz以上の高域は、VCAを通過する際、倍音成分で構成される高域での適切な聴感バランスを保つために、2つの信号レベルディテクターにより中高域周波数成分の制御を行います。
1つのディテクターは中域信号レベルの平均値を測定し、もう1つのディテクターは高域信号の平均値を測定します。
そして2つのディテクターの出力を演算し、制御電圧を求めることにより、高域信号レベルを自動的にコントロールするわけです。

この様にBBEシステムは、各周波数成分の時間合わせを的確にコントロールするとともに、中・高域周波数バランスを適切に維持することによって楽器、音声等の鮮明で輪郭のある極めて原音に近い音の再生を現実のものとしました』

 

僕が20年以上前にBBEを初めて購入した楽器屋さんで、BBEと同じことをアンプとスピーカーでやろうとすると数百万円はかかるという説明を聞いた覚えがあります(現在でもDEQXでシステムを組めば最低でも100万円くらいはかかりますから、20年前の説明としては正確だったかも)。
それ以来、僕のオーディオシステムには必ずBBEが組み込んでありますが、PCオーディオ用としても一台購入して使っています。

BBEの前身はバーカス・ベリー・エレクトロニクスという会社で、アコースティック・ギター用のピックアップで有名な会社でした。
BBEを知る以前にバーカスベリーの名前は知っていましたが、音の『出口』を作るステレオのメーカーに対し、BBEが音の『入口』のメーカーで作られたのは、原音とステレオからの再生音の違いをよく知っていたのだろうと思います。

 

BBEを効果的に使うために

BBEの使い方のコツをひとつ。
BBEの効果のかかり方を調整する「PROCESSレベル」は、効果がかかったのがわかるかわからないかくらいの境目にしておくこと。

ちょっと聴いてBBEがかかっているのがわかってしまうのは、明らかに効果のかけ過ぎ。BBEがダメだという人はこういう使い方をしているのではないでしょうか。

BBEの効果が本当にわかるのは、BBEをONにしたときではなく、BBEを切ったときです。
BBEを1週間ほど使ったあとBBEをOFFにしてみると、スピーカーの上に毛布をかぶせて鳴らしているように聴こえてしまいます。

BBEは効果が高い割には安価な機器で、RCAピン/アンバランスフォン仕様のBBE 482iは現在(2019年3月)15,800円(サウンドハウス直輸入品)で購入できます。
XLR/TRSバランス仕様の882iという上位機種もあり、こちらは昔80,000円位だった記憶がありますが、今は16,800円(2019年3月、サウンドハウス直輸入品)。安くなりましたね。
また、サブウーハー出力を搭載した382iSWという機種も追加されています。

 

 

NFJオリジナル DSP搭載デジタルコントロールラインアンプ P01J

2,480円(2018年11月)で購入できるBBE内蔵のラインアンプがありました。
僕は使ったことがありませんが、レビューを見ると好評のようです。