WRC用語集
あ
アジアパシフィックラリー選手権(APRC)Asia Pacific Rally Championship
WRCに次ぐ地域選手権のうちのひとつ。通称アジパシ。アジア・太平洋圏(オセアニア)の各国で行われる。APRC誕生の88年に篠塚建次郎選手がAPRC初代チャンピオンとなった。
アイスノートクルー ice note crews
SS開始前にコースを走り、路面状況などをチームに伝える役目の車。もともと路面に雪やアイスが残るモンテカルロで始まり、他のラリーにも広がっていった。
モンテカルロではアイスノートクルーと呼ばれるが、他のグラベルラリーは雪はないのでグラベルクルーと呼ばれる。
アイスノートクルーやグラベルクルーには選手の身内が乗っていることも多い。安全性に直結するため、信頼できる人が行う重要な仕事ということである。
→グラベルクルー
アイテナリー itinerary
ラリーの日程表。タイムテーブルとぼほ同義。ラリーの進行を分刻みで記載してある。
→アイテナリーの読み方
アクティブアンチロールバー active anti-roll bar
コーナリング時に車体のロールを押さえるため、左右のサスペンションを連結するのがアンチロールバー(スタビライザー)。パッシブタイプはスプリングで調整しているが、これを油圧制御にして走行時の状態に応じて最適に調整できるようにしたものがアクティブアンチロールバー(アクティブスタビライザー)。
アクティブダンパー active damper
油圧を電子制御でコントロールし、減衰力を調節するダンパー(ショックアブソーバー)。
アクティブデフ active differential
コーナリング時で左右の車輪の回転差を吸収するのがディファレンシャル(デフ)。通常のディファレンシャルは片側の車輪が空転するともう片側にも駆動力が伝わらなくなる。
このためスポーツタイプの車では片側が空転すると左右を直結し強制的に駆動させるリミテッドスリップデフ(LSD)という機構が組み込まれる。
機械式のLSDは空転を始めてから作動し、片方が完全に空転した場合、反対側には最大で50%しかトルクが伝わらない。アクティブデフはクラッチを油圧や電磁式で制御し、車速やコーナリングスピードによってあらかじめ必要なときに積極的にトルク配分を行なう。片側0%、片側100%というトルク配分も可能なため、ステアリング特性を自由に設定できるというメリットもある。
4WDでは前輪・後輪のデフに加えて、前後の回転差を吸収するセンターデフが装着されるため、現代のWRカーでは前・中・後と3つアクティブを装着している、トリプルアクティブデフが主流となっている。アクティブデフにより、コーナリング時の脱出速度が飛躍的に向上したといわれる。
92年からランチアが実戦投入し、他のメーカーも次々に実用化した。
アンダーステア understeer
コーナーを曲がるとき、ステアリングをまわしても車が曲がっていかず、外側へ膨らんでいく状態。
→オーバーステア
→ニュートラルステア
アンチラグ・システム anti-lag system、misfiring system
別名ミスファイアリングシステム。ターボチャージャーの付いたレーシングエンジンに特有の装置。
エグゾースト(排気)パイプの途中に取り付けたタービンを排気ガスの圧力で高速回転させ、その同軸にあるコンプレッサーで大量の空気を圧縮し送り込んでエンジンの充填効率を高めるというのがターボチャージャーの原理だが、いったんアクセルを戻すとタービンの回転が落ち、再びアクセルを踏み込んでもタービンの回転が高まるまで時間がかかってしまう。これがターボラグと呼ばれる、一呼吸おいてからエンジンの出力が上がっていく現象だ。
一般車はともかく、レーシングカーではこれがタイムの落ちる原因になってしまう。そこでアクセルを緩めるとエグゾーストマニホールド内で燃料を爆発させ、タービンの回転を維持するようにしたのがアンチラグ・システム。この排気系パイプ内での爆発がパン!パン!という音になって聞こえる。
エグゾーストマニホールド内で爆発を起こさせる方法は、シリンダー内で燃えないような濃い混合気を送り込み生ガスのまま排気系に流れるようにして(または直接エグゾーストマニホールドに燃料を噴射して)、次にエキゾーストマニホールドに空気を送り込む。すると混合気が薄くなってパイプの熱で爆発を起こす。
技術自体はグループB時代からあったようで、一時期ランチア、スバルが試用した。初期のものは車庫入れが困難になるほどレスポンスが敏感だったという。
93年1000湖ラリーからトヨタがセリカST185に搭載したのが実用的な実戦投入の始まり。
→バックタービン
インカット cut the corner?
主にターマックラリーで、走行ラインを直線に近づけるためにイン側の道路脇まではみ出してショートカットすること。路面と路肩の段差で車の底部をこすり、盛大に火花が散ることも多い。
インターコム(インカム) internal communicator
ドライバーとコ・ドライバーが会話するための通信装置。ヘルメットに内蔵されている。
インターコムの故障のため、コドライバーが大声でナビゲートしたり、手で方向を示している姿が車載カメラに映っていることが時々ある。
インターミディエイト intermediate
タイヤの種類のひとつ。ドライ用タイヤとレイン用タイヤの中間。
ウォーターインジェクション
パワー向上のため、エンジンの点火時期を進めた場合温度が上昇してノッキングしやすくなるが、エンジン内に水を噴射して気化熱で温度を下げ、ノッキングを押さえるシステム。元々は航空機のエンジンで使われていた。
以前はインテークマニホールド内に水を噴射する方式だったが、筒内直噴(気筒内に直接、水を噴射)をするとより効率が高まって点火時期を進めることが可能になる。ただしあまり使いすぎるとエンジンを傷める。
ウオーター・スプラッシュ water splash
SS内にある浅い川や水たまり。ラリーカーが通過すると盛大に水しぶきが上がるためこう呼ばれる。
Mスポーツ M Sport
マルコム・ウィルソンが設立したフォードのワークスチーム。
エントリー
ラリーへの出場登録申し込みは開催の2ヶ月ほど前から。エントリーフィー(参加費)が必要。
オーガナイザー Organizer
競技の主催者・運営者
オフィシャル official
主催者のこと。コースにいるコースマーシャルを指すこともある。
オーバーステア oversteer
コーナーを曲がるとき、ステアリングを回した以上に車体がコーナー内側に回りすぎる状態。
→アンダーステア
→カウンターステア
→ニュートラルステア
か
カウンターステア、カウンターステアリング counter-steering
オーバーステア状態の車を正しい方向に進ませるため、コーナーの曲がり方とは反対方向にステアリングを回すこと。
→オーバーステア
カスタマースペック
マニュファクチュアラーがプライベーターに供給するマシンで、最新技術の流出を防ぐなどの目的でスペックを落としてあるタイプの車両。
カットスリック cut slick tyres
ドライ用のスリックタイヤに、小雨の時などに排水用の溝を入れたもの。
→グルービング
カルネ Carnet
海外から参加する競技車両は、ジュネーブ協約に基づいた「自動車カルネ(正式名=Carnet de Passage en Dourne)」によって輸入される。自動車カルネとは、一定期間内に自国に持ち帰ることを条件に一時輸入する制度であり、この制度を利用すると行き先の国で自国の登録のままラリーに参加したり、公道を走行できる。
キットカー Kit Car
市販車をベースに、車幅・トレッドの拡大やエンジン・サスペンションなどを、チューニング用”キット”を追加することで大幅な改造が認められた車種。”キット”は適切な価格で販売されること、とレギュレーション上は謳っている。単にキットカーと言った場合はF2キットカーを指すことが多い。WRカーも当初の名称は4WDキットカー。
グラベル gravel
未舗装路面。フィンランドのようにスムーズな超高速グラベル、丸い小石が多くボールベアリングロードと言われ滑りやすいオーストラリアのグラベル、アクロポリスやキプロスのような尖った石(あるいは岩)がごろごろ転がっているラフグラベルなどさまざま。出走順でタイムに影響することが多く、早い出走の車は路面の掃除役になってしまう。後の出走ほど有利になる傾向が強い。
グラベルクルー gravel crews / gravel note crews
グラベルノートクルーともいう。SS開始前にコースを走り、路面状況などをチームに伝える役目の車。
→アイスノートクルー
グリップ走行
タイヤが路面を捉えるグリップ力を最大に生かし、コーナーを曲がっていく走り方。昔の派手にスライドさせる走り方と違い、近年のラリーではグリップ走行が良いタイムを出す必須条件となってきている。
→スライド走行
グリフォーネ H.F. Grifone SRL
1958年に設立されたイタリアのレーシングチーム。トヨタのサテライトチームとしてマーカス・グロンホルムやハリ・ロバンペッラ、セバスチャン・ローブなどを走らせた。
クルー crew
競技車両の搭乗員、つまりドライバーとコ・ドライバーの2人のこと。2人1組で1クルーと数える。
グループA group A
1987年からグループBの後を受けてメインカテゴリーとなったクラス。年間2500台以上生産される4シートの車がベースになる。WRカーもグループAの一種。排気量によってA5~A8までクラス分けがある。
グループB group B
1983年から1986年までメインカテゴリーとなった車両クラス。グループAやグループBの車両自体は1982年からWRCに出場している。
最低生産台数は50台。ラリー専用に開発され、500馬力近いエンジンを積んだモンスターマシンがいくつも登場した。ありあまるパワーで車を振り回す豪快な走りが魅力だったが、観客やクルーの死亡事故が相次いだため1986年で廃止された。
グループN group N
年間2500台以上生産される市販車ベースという条件は同じだが、グループAやWRカーに比べて改造の認められる範囲が厳しく制限されて、かなり市販車に近い車両クラス。ベースになる車の性能が重要視される。ターボ付きの4WD車を手頃な価格で供給できる自動車メーカーは限られているため、三菱ランサー・エボリューションとスバル・インプレッサ以外の車はほとんどいない。排気量によってN1~N4までクラス分けがある。
グループR group R
ラリーで使用されるグループAとグループNを再編成し2013年に発効したレギュレーション。
カテゴリーはRC1~RC5および制限無しのRGT、RC*に対応したクラスはWRCおよびR1*~R5の11クラスに分類される。
グループ1~グループ5 group 1/2/3/4/5
WRCが始まった1973年当時のFIAによる車両規定。
グループ1 連続する12ヶ月に5000台以上生産された4座の車。
グループ2 グループ1の車に装備の追加を行って公認を取得したマシン。規定台数500台(台数の違う資料もある)。
グループ3 連続する12ヶ月に5000台以上生産された2座の車。
グループ4 グループ3の車に装備の追加を行って公認を取得したマシン。規定台数400台(500台の資料もある)。
グループ5 プロトタイプ等の特殊なマシン。参戦はできるが有効なポイントは得られない。
グルービング grooving
排水性能を上げるためタイヤに溝を入れること。専用の工具で溝を掘る。期待する効果によって溝を入れる方向や長さ、位置が違う。左右非対称にしたり外側、または内側のみ入れることもある。グルーブは「溝」。音楽用レコードの溝もグルーブ。
→ハンドカット
クレデンシャル、クレデンシャルパス credential、CredentialPass
ラリー期間中に、参加者・オフィシャル・プレスなどが、それぞれの身分証明書として身に付けていなければならないカードなどを「クレデンシャル」と呼ぶ。クレデンシャルパスはバッジを上着に付けたり、クレジットカードサイズのパスを首からさげたりしておく。観客用のクレデンシャルは観戦チケットと兼用することもある。
クローバーリーフスタイル clover leaf style
同一の出発点から輪を描いて出発点に戻ることを何回か繰り返し、その軌跡がクローバーの葉のかたちに似ているため、スタンダードなWRCのルートの形状をこう呼ぶ。
コ・ドライバー co-driver
助手席に乗り、レース中にレッキで作成したペースノートを読み上げドライバーに道路の方向・カーブのきつさ・路面状況などの指示をする役割の選手。
ラリー中の日程・時間管理も重要な仕事のひとつ。コ・ドライバーはドライバーに雇われるかたちとなり、給料もドライバーの報酬から支払われる。
→ドライバー
→クルー
コンサントラシオン concentration
モンテカルロ・ラリーで、ラリー出場車がヨーロッパなどの各地に分散した出発地点から、1000~2500km前後の距離を走ってモンテカルロに向かい、集結するというスタート方式。
中世の領主が配下の騎士たちに突然の招集をかけ、城に到着するまでの速さや武具・馬の手入れの良さなどを競わせたことがラリーの起源になったという説があり、それがコンサントラシオンの由来とされる。ラリーのコンパクト化に伴い、ワークスカーがコンサントラシオンを行ったのは96年まで、97年は一部の参加車両に限定され、98年以降は廃止された。
しかしこのコンサントラシオンという”儀式”は、"Rally”の精神の根幹をなすものともいえる。コンサントラシオンが行われていたころは、車体に [PARIS] [REIMS] [BARCELONA] など出発地のステッカーが貼ってある。移動距離が長いため、コンサントラシオン区間でリタイアしてしまった車も少なくない。
コンパウンド compound
タイヤのゴムのこと。硬さが何種類かあり、路面によって使い分ける。
コンペティティブ・セクション(CS) competitive section
SSのように区間を閉鎖せずタイムアタックを行うコースのこと。サファリなどは道はあってないようなものなので、閉鎖すること自体不可能である。
さ
サービスパーク service park
ラリーカーの修理・整備(サービス)をする場所。サービスの時間は厳密に決められており、超過するとペナルティが課せられる。サービスパーク以外ではメカニックによる修理は禁じられているため、コース内やロードセクションでドライバーやコドライバーが修理する光景をよく見掛ける。
サイドウェイ sideway
コーナーで車をスライドさせながら回る方法。
→ドリフト
サイドブレーキターン →ハンドブレーキターン
サテライトチーム satellite team
ワークスから放出されたワークスカー(多くは旧型)で参加するプライベーターのチーム。セミ・ワークス的な扱いになっている。ボジアン・レーシング、グリフォーネ、ジョリー・クラブなど名門チームも多い。
→ワークス
→プライベーター
シェイクダウン shakedown
競技前の練習走行。主催者が専用コースを用意し実施する。通常、LEG1の前日か前々日に行われる。
ジョリークラブ Jolly Club
イタリアのレーシングチーム。1957年に設立されWRCやF1のチーム運営をした。1997年で活動を終えるが2007年から復活している。
車検 scrutineering
ラリー競技車は、ラリーに出場する前に必ず主催者による公式車両検査を受ける。参加車両は例えば日本の車両なら陸運局の車両検査に合格している必要がある。海外から参加する競技車両はジュネーブ協約に基づいた自動車カルネによって輸入されるが、車検ではこのカルネについてもチェックを受ける。
ジュニアラリーチャンピオンシップ(JRC) Junior Rally Championship
2002年から始まったJWRCが07年からWorldが外れ、JRCとなった。若いドライバーの登竜門的な位置づけ。
ジュニアWRC(JWRC) Junior World Rally Championship
2002年から始まったカテゴリーのひとつ。27歳以下のドライバーと1600ccのマシンで年間8戦前後行われる。若いドライバーの登竜門的な位置づけ。07年からWorldが外れ、JRCとなった。
スクルティニアリング →車検
スーパーSS(スーパースペシャルステージ super special stage, SSS)
木曜日の夜やLEG1・LEG2の最終ステージとして、観客の入る特設ステージなどで2台(イベントによっては1台、まれに3台)並走で競うステージ。距離は短いのでタイム差はあまり出ず、ショータイム的な意味合いが強い。
スーパーラリー SuperRally
→ ラリー2
スオミ suomi
フィンランド語でフィンランドのこと。
スクアドラ・コルセ HF Squadra Corse
チェザーレ・フィオリオ(のちのフェラーリF1監督)が65年に設立したプライベート・チーム。HFはHigh Fidelityの略。ランチア車で大活躍した。
スタッドタイヤ studded tire
積雪路や凍結路用にスタッド(スパイクピン)を打ち込んだタイヤ。ラリーで使われるスタッドタイヤは400本以上のスタッドを打ち込まれている上、面圧を高めるために幅が10~15センチ程度と極端に狭い。これを装着したラリーカーは、市販車に搭載されているテンパータイヤ(パンクしたときの緊急用タイヤ)を4本履いたかのような、特異なスタイルとなる。
現在スタッドタイヤの使用が許可されているのはモンテカルロとスウェーデンだけ。過去にはスノーコンディションとなったRACラリーで使用されたこともある。昔は幅広のタイヤに1200本もスタッドを打ったものもあった。
スペシャルステージ(SS)special stage
一般車両を入れないように閉鎖し、タイムアタックに使用する区間。ひとつのレグの中に5~7つほどのSSが設定される。SSは公道、私道、サーキット、スタジアム等の特設会場など、さまざまな場所で行なわれる。最短で3kmほど、最長で50kmほどある。SSの合計距離は400km±5%。
→コンペティティブ・セクション
スペシャリスト specialist
特定の条件の路面で特に速いドライバーのこと。特にターマック専門のドライバーを指すことが多く、ターマックスペシャリストとしてジル・パニッツィ、フィリップ・ブガルスキーなどが挙げられる。チームもグラベルラリーとターマックラリーでドライバーを使い分けたりする。
スライド スライド走行
タイヤのグリップ力をフルに使わず、滑らせてコーナーを曲がっていく走り方。
→グリップ走行
スリックタイヤ slick tire
乾いた舗装路用の溝なしタイヤ。ただし現在では完全に溝のないスリックタイヤは使用が禁止されている。
スロー・パンクチャー slow puncture
タイヤに空いた小さな穴などにより徐々に空気が抜けていく状況のパンク。
セーフティクルー safety crew
2004年にFIAはグラベルクルーを廃止したが、大きなクラッシュが頻発するなど安全上の問題が多いため、特定のイベント限定で使われるグラベルクルー。
世界ラリー選手権-2 FIA World Rally Championship-2, WRC-2
スーパー2000、N4、R5の規則で公認された車両で行われるWRCの下位クラス。
世界ラリー選手権-3 FIA World Rally Championship-3, WRC-3
旧称:プロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC,PWRC)。
グループR1、R2、R3の規則で公認された車両で行われるWRCの下位クラス。
0カー(ゼロカー 0 car)、00カー(ダブルゼロカー)、000カー(トリプルゼロカー)
競技開始直前にコースを走っていく車。000カー・00カー・0カーの順に通過する。0カーは引退した有名ドライバーが運転していることも多い。たまに0カーがクラッシュしてコースを塞ぎ競技進行に支障をきたすことがある。
た
ターマック tarmac
アスファルト舗装された路面のこと。マカダム(砕石を踏み固めた舗装)タールを染み込ませた舗装をタールマカダムといい、その商標がターマック。
タイムカード time card
タイムコントロールで通過の記録を記入するカード。なくすと失格。
タイムコントロール (time control、TC)
ラリーのルート上にいくつか設置されたチェックポイント。ラリーカーは決められた時間に到着しなくてはいけない。早すぎても遅すぎてもペナルティが課せられる。到着時間はtarget timeとして指定される。タイムコントロールのエリア内はパルクフェルメとして扱われる。
タイムテーブル time table
→アイテナリー
チームオーダー team order
同じチームで走っているマシンの順位をチームが指示して換えさせること。特に年間チャンピオン獲得を有利にするためなどの理由で、上位を走っているドライバーのペースを落とさせて順位の入れ替えを命令すること。
順位を下げる指示をされたドライバーは、殊に優勝をチームメイトに譲った場合、ペースを落とさず最後まで走ったあとゴール手前で停止したり、タイムコントロールでわざとペナルティを受けてこれ見よがしに順位を下げたりする。オレのほうが速い、という無言の抗議だ。
チームズカップ(TC)
98年から設定された、プライベートチーム(WRC/F2にマニュファクチュアラー登録していないチーム)を対象としたタイトル。ドライバー部門の設定はない。最終的に合計7戦以上(ヨーロッパ圏外のイベントを最低1戦含む)に出場しなければ、年間ランキングが認定されない。2002年からはJWRCとPCWRCに変わった。
チケット ticket
イベント毎に観戦チケットが異なる。
たとえばモンテカルロ・ラリーでは無料で観戦できるが、スウェーデンやイギリスでは必要になる。
スウエディッシュ・ラリーではシェイクダウンとLEG1~3の各1日券と、通しになったチケットがある。価格は1日券が80SEK(2003年2月レートで約1120円)、4日通し券が300SEK(約4200円)。ちなみに、WRCではないが2003年ラリー北海道の3日券は18000円だった。
スウェーデンの4日通し券はクレジットカードサイズのチケット(ラリーパス)と、簡単な地図と日程表、ステッカーなどが入っている。チケットは各ラリーごとに違うので、観戦の際は事前に確認しておきたい。
グレートブリテンのスーパーSSのチケットは売りきれるので注意。
→クレデンシャル
デイ day
2008年からレグ(LEG)に換わって使われる用語。レグと同義。
デイリタイア
アクシデントやトラブルで当日の完走ができずリタイアすること。最終日以外で車両の修理が可能な場合、ラリー2でペナルティが加算され翌日の出走ができる。
ドーナッツ doughnuts
車をパワースライドさせ、一ヶ所でグルグル回り続けるパフォーマンス。コリン・マクレーが観客の近くでやりすぎて、WRCでは禁止になったらしい。
トヨタ・チーム・ヨーロッパ Toyota Team Europe , TTE
オベ・アンダーソンが設立したトヨタのワークスチーム。1972年、RACラリーにトヨタ・セリカで出場しクラス優勝したアンダーソンがトヨタの援助を得て75年に設立。
ドライバー driver
ラリーカーを運転する選手。F1はパイロットという言い方をするが、WRCの場合はドライバーということが多い。
→コ・ドライバー
→クルー
ドライバーズタイトル driver’s title
ドライバーに与えられる年間チャンピオン。シーズン終盤になると「タイトル争い」が白熱する。WRCでは1979年からドライバーズタイトルが制定された。
→マニュファクチュアラーズタイトル
ドリフト sideway
タイヤをグリップさせずにスライドさせてコーナリングする走り方。
→サイドウェイ
な
ナイトステージ
夜のSS。近年のラリー縮小化に伴い、暗闇を切り裂いてラリーカーが疾走する光景を見ることは少なくなった。
ニュートラルステア neutralsteer
コーナーを曲がるとき、ステアリングを回したぶんだけ曲がっていく状態。
→アンダーステア
→オーバーステア
ノーショナルタイム notional time
SSが中断された場合に、走行できなかった出場者に与えられるタイム。
は
バックタービン back turbine
踏んでいたアクセルを戻すと、スロットルが閉じてエンジン内に空気が送り込まれなくなるが、コンプレッサーで吸気を加圧しているターボエンジンでは、行き場を失った空気がタービンの方へ逆流する。この現象をバックタービンという。ラリーカーが走ってくるとき聞こえる「キュッ、キュキュッ」という音はバックタービンの音。
バックタービンはタービンへの負荷が大きいため、市販のターボエンジン車は空気が逆流した場合エアクリーナーの直後に空気を逃がすようになっている。これを大気解放にするのがブローオフ・バルブ。
→アンチラグ・システム
バリアント・オプション variant option、VO
シーズン・インの後、追加でパーツの変更を申請し、認められれば装着できるレギュレーション。パーツによって年間に変更できる回数が違う。
パルクフェルメ Parc Ferme
一切の整備や修理等の作業ができない場所。マーシャル以外は立ち入り禁止。
安全上の問題がある場合は主催者の許可を得て修理することもある(場合によってはペナルティを課される)。
競技の行われない夜間に車両を保管しておく駐車場を指すことが多いが、タイムコントロールやリグループもパルクフェルメとして扱われる。
語源はフランス語で「閉ざされた公園」。
パワーステージ Power stage
ハンドカット hand-cut
タイヤのトレッド面(接地面)に専用工具で溝を入れること。
→グルービング
ハンドブレーキ・ターン hand-break turn
コーナリング中にハンドブレーキ(サイドブレーキ)を引いて後輪をロックさせ、タイヤのグリップを失わせて滑らせ、素早くマシンの向きを変える走り方。
サイドブレーキターンともいう。
アクティブセンターデフの場合、ハンドブレーキを引いている間はデフがフリーになり、後輪だけロックするようになっている。
ピレリ Pirelli
イタリアのタイヤメーカー。
プライベーター privater
自動車メーカーが参戦するワークスに対し、個人で参加するのがプライベーター。
逆の言い方をすれば、ワークス登録していない参加者がプライベーターになる。メーカーの支援を受けてセミワークスとも呼べるチームもあれば、個人で資金集めに奔走して参加する選手もあり、千差万別。
ニュージーランドやオーストラリアは地理的に近いこともあり、日本から参加するプライベーターが多い。
→サテライトチーム
→ワークス
フライングフィン Flying Finns
フィンランド人ドライバーの称号。”空を飛んでいるかのように速い”フィンランド人に付けられたあだ名。元祖フライングフィンはラリードライバーではなく、パーボ・ヌルミという1916年アントワープオリンピックなど3つのオリンピックで9個の金メダルを獲得した陸上競技選手。
フラットアウト flat out
アクセルベタ踏みの全開走行。
フレキシサービス Flexi Service
経費削減のためFIAが04年に導入したサービス方式。車両整備を1台づつ入れ替わり制で行い、メカニック・工具の数を減らすことを狙ったもの。時間の無駄が増えただけで05年には廃止。
プロダクションカー世界ラリー選手権 (PCWRC 又は PWRC) FIA ProductionCar World Rally Championship
グループNカーによるFIAカップが2002年からプロダクションカー世界ラリー選手権と変更された。初代チャンピオンはカラムジット・シン。
プロドライブ Pro Drive
デビット・リチャーズが設立したモータースポーツの会社。レース・ラリー用車両の開発やチーム運営を行っている。スバルのワークスチームの実質的な運営者として知られる。
ヘイベール hay bale
牧草や干し草、わらなどを圧縮して円柱状や直方体状に固めたもの。ベール。ヘイベイル。モータースポーツではシケインの障害物、コース脇の保全、コースオフした際のクッション、ラウンドアバウトの中心などに使われる。
ペナルティ penalty
規定を守れなかった場合などに課される罰則。内容に応じてタイムを加算されたり、悪質な違反の場合は即刻失格になったりもする。レギュレーションに照らし合わせて判断がその場でできないときは、ラリー後に処分が持ち越されたりする。
グラベルラリーで出走順が早いと不利な場合、わざとペナルティを受けて出走順を遅らせるなどの手段に利用されたこともある。
ペースノート pacenotes
レッキの際にコース状況を記入するノート。競技区間ではノートの情報をコ・ドライバーが読み上げ、ドライバーはそれを聞きながら運転する。
レッキで走るスピードと、本番ではまったく速度が違うので、特に初めてのラリーでは正確なノートを作ることは難しい。
良くできたノートを使うと、ドライバーにはこれから走っていくコースの、立体的なイメージを頭の中で描きながらドライブすることができるそうである。
このノートの出来不出来がラリー結果を左右すると言っても過言ではなく、そのためレッキやペースノートにまつわるエピソードは多い。
ヘッドクオーター(HQ) rally headquarters
ラリー主催者の本部。スターティングセレモニーの行われる場所に近いホテルなどに設置される。
ポディウム podium
表彰台のこと。ドライバーへのインタビューなどで、ポディウムのいちばん上に登れるか?(=1位を取れるか)、というような使い方が頻繁にされる。
ホモロゲーション homologation
車両やパーツの認証のこと。
ま
マーシャル marshal
主催者がコース内に配置した係員のこと。
→オフィシャル
マッドタイヤ
泥濘用タイヤ。
マニュファクチュアラーズタイトル manufacturer’s title
自動車メーカーに与えられる年間チャンピオン。WRCは初開催の1973年から1978年までマニュファクチュアラーズタイトルが争われ、79年からドライバーズタイトルが追加された。F1の場合はコンストラクターズ選手権となり、マクラーレンやウィリアムズといったチームに対してチャンピオンシップが与えられる。
→ドライバーズタイトル
マルティニ martini
イタリアの洋酒メーカー。ランチアやフォードなどのスポンサー。ラリーカーに施された赤・紺・水色のストライプ、通称マルティニ・カラーで有名。
ミシュラン Michelin
フランスのタイヤメーカー。現在WRCに参戦しているのはピレリとミシュランの2社のみ。
2006年からミシュランがブランド名だけB.F.グッドリッチに換わる。
ミスファイア
失火。何らかの原因で混合気がエンジンのシリンダー内で燃えないこと。
ミスファイアリングシステム
→アンチラグ・システム
ミル・ピステ(1000ピステ) Mille Piste system
フランスの国内選手権で行なわれていたラリー方式。午前中レッキ、午後ラリー。
2004年のWRCにFIAが強引に全戦導入しようとしたが、結局実施されたのはニュージーランドのみで、他のイベントからは総スカンを食らい、ドライバー達からは酷評され、翌年から消滅。
ムースタイヤ
パンクしてもタイヤがつぶれないように、中にドーナツ状のムース(ゴムでできたスポンジ)を入れてあるタイヤ。ミシュランはATS、ピレリはEMIと呼んでいる。
重量の増加(タイヤ1本あたり3kg程度)を招くというデメリットもあるが、パンクしてもそのまま走り続けられるメリットは大きい。パンクしたままトップタイムを記録することもある。
かつてはサファリのような、タイヤが高温になる高速イベントでは”ムース切れ”を起こして内部で片寄ってしまい実用に耐えなかったが、改良により使用できるようになった。
08年から使用が禁止になった。
ら
ライドハイト ride height
車高。最低地上高。地面から車体のいちばん低い部分までの距離。
ラウンドアバウト roundabout
環状交差点。ロータリー。基本的には中央の島を中心に一方向に回る信号機のない交差点のこと。
ライトポッド light pod , lamp pod
夜間走行のためにボンネットなどに取り付けられる補助灯。ランプポッドともいう。
ラリーアート Ralliart
三菱の子会社。ラリー参戦ではラリーアート・ヨーロッパ(RAE)やラリーアート・ジャーマニー(RAG)などいくつもチームがある。
ラリーコミッション World Rally Championship Commission
FIA、マニュファクチュアー、オーガナイザーなどによって構成される委員会。ラリーコミッションで決定されたスケジュールやレギュレーションは、ワールドカウンシルに送られ、承認を受けて正式な決定となる。
ラリーコンピューター
目標タイムで走るための時速を簡単に計算するためなどの目的で、ラリーに使われる計算機。
古くは回転式の円盤や歯車式(手回し式)の計算機が使われたが、現在は専用のコンピューターが使われる。
ラリー2 Rally 2
アクシデントやメカニカルトラブルでデイリタイヤしても、修理ができれば次のレグに出場できるシステム。一定のペナルティが課される。
経費削減に走るFIAが2004年から試験的に導入し、2005年から運用されている。以前はスーパーラリーと呼ばれていた。
ワークスの出場台数制限により、早期にリタイヤするマシンが多いと走行車両が極端に減ってしまうため、苦肉の策として導入された。2005年はワークスが6チームしか参加しておらず、クラス上位8位まではポイント対象となるため、とりあえずゴールすればポイント獲得となる可能性が高い。そのため、 次のレグで走るために走行可能であってもリタイヤしたりすることがあるなど、問題点も多かった。 適用の可否はイベントの主催者によって決められるため再出走不可能なラリーもある。
リエゾン liaison
→ロードセクション
リグループ、リグルーピング regroup,regrouping
SS内でのトラブルやロードセクションの交通渋滞等でラリーにスケジュールの遅れなどが発生した場合を想定して、ラリーの隊列を整え、またドライバーの休憩場所として一定時間駐車しておく場所。サービスの前後に設定されることが多い。
リグループはパルクフェルメとして扱われ、車両の整備などはできない。
リザルト result
結果表・成績表のこと。計時を担当するオフィシャルを指すこともある。
リストリクター(エアリストリクター)restrector / air-restrector
エンジンの吸気制限装置。エンジンのパワー競争に奔りすぎないよう、安全上の理由から吸気口のサイズに制限をするためのパーツ。どんなにエンジンの出力(馬力)を上げたくても、吸入できる空気の量を増やさない限り、出力も上がらない。
グループAが内径34mm、グループNが内径32mmとなっている。
95年にトヨタが規定外のリストリクターを使用した。一見規定を満たしているように見えるが、負圧がかかると隙間が広がって空気の流入を増やすという"巧妙な細工"がされており、悪質と判断されたため、そのシーズンのポイントをすべて剥奪の上、翌年一年間の出場停止という厳しい処分がされた。
リバースオーダー
レグ2以降、前のレグの総合順位15位までが、逆の順番でスタートすること。01年以前はレグ2以降は直前のレグの順位がそのままスタート順になっていたが、グラベルラリーでは先頭走者が不利になることが多く、故意に順位を下げる行為が横行したための措置。07年まではリバースオーダーが採用されていたが、08年はデイ2以降は直前のデイの順位通りのスタートとなる。
リフューエル refuel、refuel zone
燃料の給油。給油する場所はリフューエル・ゾーンという。使用燃料はレギュレーションで定められ、どのチームも同じものを使う。
リモートサービス remote tire fitting zone
リエゾンに設置された主にタイヤ交換をするための場所。作業できるのはメカニック2名とクルーの2名、時間は10分。04年に導入、ドライバーの負担が増え悪評を買っていったん廃止されたが07年復活。
レッキ(レキ) recce(reconnaissanceの略)
事前にコースを走りペースノートを作成する試走のこと。昔は無制限にレッキができたが最近は大幅に縮小・制限されている。
不正防止のためノートはレッキ前に主催者からまっさらなノートを支給される。レッキのあと、コ・ドライバーはホテルなどで過去のラリーで走ったノートを見ながら修正を行ったりする。正確なノート作りはコ・ドライバーの重要な仕事で、たくさんノートを持っていることがコ・ドライバーの評価を高めることもある。コ・ドライバーが過去のノートやノウハウをたくさん蓄積していれば、初めてコースを走るクルーより有利になることが多い。
レッキに使われる車両にもレギュレーションがあり、グループN車に近い。主催者はレッキ中に制限速度を守っているかなどをGPSで監視したり、レッキで不公平が起きないよう配慮しているが、正規のレッキをする前やラリーと関係ない時期にこっそりレッキをする「不正レッキ」がしばしば話題に上ることがある。ノートが正確であればそれだけラリーを有利に進めることができるので、過去にはそうしたこともあったようだ。
ジル・パニッツィが不正レッキをしたとして、同じプジョーに所属するフランソワ・デルクールが非難し、それがデルクールがプジョーを放出される原因のひとつになった。デルクールを焚き付けたのはカルロス・サインツだという。レッキに関してはこのような神経戦が展開されることもある。
レグ leg
ひとつのラリーはいくつかに区切られて構成されているが、その区切りの単位のこと。2008年からデイ(day)という単位に換わる。
多くのラリーは3日間で行われ、例外もあるがレグ1からレグ2、レグ3という区分があり、これが通常1日目、2日目、3日目にそれぞれ該当する。ひとつのレグの合計距離は1000km±10%、3日間の合計で3000km以内。1999年のモンテカルロ・ラリーでは、日程が4日間あり、1日目は車検のあと午後にスタート。かつてのコンサントラシオンを思い起こさせるようなロードセクションのみが行われ、翌日からの3日間でレグ2~4が行われた。
ロードセクション road section
SS以外の移動区間。リエゾンやトランスポートセクションともいう。一般道路なのでWRC出場車といえども交通法規の遵守をしなければならないが、スピード違反で切符を切られるドライバーも結構多い。ラリーGBでは問題になっているが、WRCの開催期間だけ制限速度を下げて違反金の増収をはかるイギリスの警察もいかがなものか。
ロードブック
ラリーのすべてのルートを記載した本。交差点などでどの方向に進むかなどの標識のような図が入っている。
ロールケージ roll cage
クラッシュしたときに乗員を守るため車内に張り巡らされた鋼管のパイプ。すさまじいクラッシュでも選手が守られるのはロールケージのおかげ。ボディの溶接箇所を増やすなどして補強し、ロールケージを入れたWRカーの車体剛性は、市販車の数倍に達し、比較にならないほど強い。
「 」と発音したり表記するのを頻繁に見かけるが、鳥かごなどを意味するcageのことなので「ゲ」は間違い。ドライバーやショップなど専門家でも「ゲ」のひとが結構多い。
わ
ワークス works,factory team
FIAにワークス登録したチーム。通常は自動車メーカーが直接レースに参加するチームを指す。
ワークス登録をすると全戦に参加が義務付けられ、シーズン途中に撤退などした場合は違約金を支払う等のペナルティが課せられる。
→サテライトチーム
→プライベーター
ワールドカウンシル World Motor Sport Council
FIAの最高決定機関。FIA管轄のモータースポーツに関するレギュレーションなどはワールドカウンシルの承認が必要になる。
ワールド2リッターチャンピオンシップ
→2Lワールドラリーチャンピオンシップ
ワールドラリーカー、WRカー World Rally car
グループAから派生し、97年からWRCに導入されたWRCのトップカテゴリー。
年間25000台以上生産される車両をベースとし、エンジンの載せ換えやターボ装着、駆動方式の4WD化などの大幅な改造が認められる。WRカー規定は4WDやターボ付きの市販車を持たない自動車メーカーにもWRC参加の機会を与えている。
プジョー206やシュコダ・ファビアの市販車は、全長4000ミリ以上というWRカーの規定を満たさないため、大型のバンパーを付けて規定をクリアしている。
→グループA
ワンメイクコントロールタイヤ
08年から採用されたレギュレーションで、タイヤの供給を1社に制限するもの。08~10年はピレリ社が供給する。
ABC・数字・略語
DNF Did Not Finish
途中棄権。リタイア。
DNS Did Not Start
スタートできず棄権。
ERC Europe Rally Championship
ヨーロッパラリー選手権。
FIA Federation Internationale de l’Automobile
国際自動車連盟。
日本のモータースポーツはFIAに加盟しているJAF(Japan Automobile Federation)が統括している。
F2キットカー F2 Kit Car
2リッター・ノンターボの2WD車をベースに大幅な改造が認められたクラス。
軽量なため、ターマックでは4WDターボを凌ぐスピードを見せる。
HANS Head and Neck Support ハンズ
クラッシュの際に首を保護するためにドライバーが装着する安全デバイス。F1では2003年から、WRCでは2005年から装着が義務付けられている。
IRC Intercontinental Rally Challenge インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ
2006年から2012年まで行なわれた国際ラリー選手権シリーズ。2013年からはERCに統合された。
JAF Japan Automobile Federation
日本自動車連盟。
モータースポーツに必要なライセンスの発給や競技用車両の公認・登録など、日本国内で開催されるモータースポーツに関する競技に関して、全ての公式な業務を行っている。
JRC → Junior Rally Championship
JWRC → Junior World Rally Championship
MMSL 三菱モータースポーツ・リミテッド
2003年4月、アンドリュー・コーワン・モータースポーツ(ACM)を買収。
MMSP 三菱モータース・モータースポーツ(Mitsubishi Motors Motor Sports GmbH)
002年11月設立。
世界ラリー選手権とクロスカントリーラリーをはじめとする三菱自動車のモータースポーツ活動全てに責任を持つ三菱自動車の統括会社。
PCWRC (PWRC) → プロダクションカー世界ラリー選手権
PSA / PSA・プジョー・シトロエングループ(PSA・Peugeot・Citroën)
オートモービル・プジョーとオートモービル・シトロエンを傘下に持つフランスの企業。
RAE ラリーアート・ヨーロッパ
RAG ラリーアート・ジャーマニー
SWRT スバルワールドラリーチーム
スバルのワークスチーム。マシン開発とチーム運営はプロドライブに委託している。
SWRC, S-WRC
WRC-2の旧称。
S2000(Super 2000) グループNから発展し2000年に設定された競技車両。ラリーとツーリングカーレースの両方をカバーする。競争力のある車両を低コストで製作できることが狙い。
TBA To Be Announced
未発表。後日発表。日程などが完全に決定していないうちにカレンダーが発表されるときなどに記載されることがある。
TTE トヨタ・チーム・ヨーロッパ
オベ・アンダーソンの会社、アンダーソン・モータースポーツがベースとなり発足。
93年6月にトヨタの子会社、トヨタ・モータースポーツGmbh(TMG)となった。
TTS トヨタ・チーム・スウェーデン
WCR FIA World Championship of Rally
1990年頃まで使われていたWRCの旧称。世界選手権のラリー部門といった意味合い。
WRCという名称が使われ始めたのは1987年頃。
WRC FIA World Rally Championship
FIA世界ラリー選手権の略。 → WCR
WRC-2 World Rally Championship-2 → 世界ラリー選手権-2
WRC-3 World Rally Championship-3 → 世界ラリー選手権-3
WRカー → ワールドラリーカー
W2L →2Lワールドラリーチャンピオンシップ
VO → バリアント・オプション
2Lワールドラリーチャンピオンシップ(W2L) FIA 2L World Rally Championship for Makes
2輪駆動・2000cc以下のグループAおよびN車で争われるクラス。
1995年と1996年に開催されたが2年で廃止になった
その他
アイスクール・セブ ice-cool Seb
セバスチャン・ローブのニックネーム。どんなときでもクールなため、氷のように冷静というあだ名が付いた。
牛
コルシカのSSに時々現れる。97年にトミ・マキネンが時速150キロで牛に激突、マシンは崖から50メートルも転落。幸いクルーに怪我はなかった。マキネンらは後続車が危険と判断し、牛の死骸を片付けに崖を登っていった。
エル・マタドール El Matador
カルロス・サインツのニックネーム。意味はスペイン語の「闘牛士」。
俺様
フランソワ・デルクールのこと。Rally Xという雑誌に連載されていたデルクールのコラムが俺様という一人称で翻訳され、それが本人のイメージにぴったりマッチしていたため、ラリーファンの間で「俺様」といえばデルクールのことを指す。
カンガルー
オーストラリアのSSに時々現れる。05年にペター・ソルベルグが6速全開走行中に飛び出してきたカンガルーと激突、マシンはオイルクーラーやラジエーターを壊しリタイア。
スバリスト subarist?
スバル一筋のドライバー。ポッサム・ボーンとか。
ダブルシェブロン
シトロエンのエンブレムになっている、山がふたつ重なったようなデザインのこと。シェブロン・ギアという独特な形状のギア(歯車)をモチーフとしたもの。
ハリウッド Hollywood
ペター・ソルベルグのニックネーム。ハリウッドのようににぎやかで華やかなためついたあだ名。
マックラッシュ McCrash
コリン・マクレーがあまりのクラッシュの多さで付けられたあだ名。スバル/プロドライブのデイビッド・リチャーズは、「気にするな。ボディならいくらでもある」といっていたそう。
羊
ニュージーランドのSSに時々現れる。97年にカルロス・サインツが時速180kmで激突、マシンはフロントを大破するがかろうじてラリーを続行。
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