【読みだしたら止まらない本 23 】暗殺者 / ロバート・ラドラム

ロバート・ラドラムはマット・デイモン主演で2002年に映画化された「ボーン・アイデンティティー」他、ジェイソン・ボーンシリーズの原作者として知られている作家ですが、日本では本国アメリカに比べかなりマイナーな存在です。

アメリカでは「他の作家が6人束になってもかなわないスリルとサスペンス」などと評価されていますが、個人的には正直、それほどでも...というのが本音。
「ボーン・アイデンティティー」の原作、「暗殺者」は昭和58年(1983)年に新潮文庫の初版を買い、それ以降「スカーラッチ家の遺産」から「狂信者」 (1993) あたりまでよく読んでいましたが、再読することがほとんどありませんでした。
同じ「日本ではマイナー」な作家、ネルソン・デミルの本は何回読んでも面白いので、僕の好みとラドラムはちょっと合わないのかもしれません。

「暗殺者」と映画「ボーン・アイデンティティー」の共通点は、嵐の海で助けられたが記憶喪失になり、過去を探るためジュネーブに行ってマリーと出会い、パリに行き、ニューヨークに行くという行程だけで、他は全く違う話になっています。

最近、「暗殺者」を久しぶりに読んでみましたが、エピソードのひとつひとつはそれなりに面白いものの、全体を通すとプロットの粗さやテンポの遅さ、スケールの小ささに加え、クライマックスが盛り上がらずに終わってしまうという難点があり、結構ヒットした映画の原作にもかかわらず絶版になったままなのも無理はないかな、という感じでした。
そのわりにAmazonでの評価はそれほど悪くはありません。

タイトルに「暗殺者」を挙げていてアレですが、ラドラムの本では「砕かれた双子座」、「囁く声 」、「マタレーズ暗殺集団 」あたりのほうが個人的にはおすすめです。

Posted by takumi-ya