ブラックアウト

2019年4月24日

ブラックアウト マルク・エルスべルグ(著)

9月6日の北海道地震により、日本で初めてブラックアウト(大規模停電)が起こりました。

「ブラックアウト」が大規模停電を意味するということは、2012年に発売されたこの本で読んで知っていましたが、実際に起こるということはなかなか想像できないものです。

この本が物語として面白いかどうかはともかく、広い地域が一気に停電して復旧できない状態が続くと、あっという間に社会基盤が崩壊して収拾がつかなくなるという描写がなかなかリアルで、電気に頼っている現代社会がどれだけ脆弱かということを認識させてくれる本です。

この本ではヨーロッパでスマートメーターの設置が先行していたイタリアとスウェーデンがサイバー攻撃を受けて停電するところから物語が始まりますが、日本でもスマートメーターの普及が進んでいます。
スマートメーターは一軒一軒検針をする手間がなくなるので、人件費削減などのメリットがありますが、攻撃者からは格好のターゲットになり得ます。
スマートメーターのセキュリティーがどれだけ強固にできているか、というような話は聞いたことがありません。地震の場合は復旧を意図的に妨害されることはありませんが、この本で描かれているように、停電で弱っているところに第二次、第三次の攻撃をされるとどうしようもなくなるというのはかなり怖いです。
興味のある方はご一読を。

読書

Posted by takumi-ya