【読みだしたら止まらない本 12 】 深夜特急 / 沢木 耕太郎

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは「大小(タイスウ)」というサイコロ賭博に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、いま始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ!

 

若い頃に読んでいたら人生が変わっていただろうな...と思います。
いい方向に転ぶか、悪い方向に転ぶかは別として。
ときどき読み返しますが、無性に旅に出たくなります。

 

この本を原作としたテレビドラマが大沢たかお主演で制作され、1996~1998年に放映されました。
劇的紀行 深夜特急’96〜熱風アジア編〜
劇的紀行 深夜特急’97〜西へ!ユーラシア編〜
劇的紀行 深夜特急’98〜飛光よ!ヨーロッパ編〜

深夜特急は原作の出版が1986年、テレビ放送が1998年です。
1995年にWindows95が発売されてインターネットの普及が進み始め、同じ1995年に現在のデジタルカメラの原型ともいえるカシオQV-10が発売になりました。

著者が旅行に行ったのが1970年代なので、連絡手段は電話か手紙、電報、ファクス程度で、テレビ制作当時でもほぼ同じ状況でしたが、2000年前後からEメールも急速に普及して旅行の手配もインターネットで普通にできるようになりました。

僕が初めて買ったデジタルカメラは1999年発売のニコンCOOLPIX950でしたが、サイズが大きく邪魔になるので海外旅行に持って行こうとは思いませんでした。
初めてデジカメを海外に持って行ったのが2002年で、このときはニコンから借りたプロトタイプのCOOLPIXを持って行きました。
本体のサイズや重量、画質、電池の持ちなどが実用的になってきた頃です。

その後はご存じの通り、デジタルカメラがフィルムカメラを駆逐し、スマホがコンデジを駆逐し、どこに行くにもGPSで道案内が普通にできるようになって現在に至ります。

ところで、旅行というのは何か困ったことがあったり失敗したことというのはよく覚えているものです。便利になった反面、何も起こらない旅行というのは記憶に残りにくいという気もします。
この本とドラマはデジカメもインターネットもGPSも自動翻訳もない、古き良き時代の旅行風景の記録としても興味深いものがあります。

[DVD] 大沢たかお, 松嶋菜々子 (出演)

読書

Posted by takumi-ya