カメラ雑談 太ネジと細ネジの話 [3/8インチ 1/4インチ]
カメラの底にあるネジ穴
現在はカメラに高性能の手ブレ補正機能が付くのが普通になっていて、昔よりは三脚の出番が少なくなっていますが、一般的なカメラにはほとんど、底板に三脚取り付け用のネジ穴があります。これはカメラ用語では「細ネジ」と呼ばれる規格のネジ穴です。
カメラ用の取り付けネジとしては細ネジの他に「太ネジ」もあり、一部の中判カメラや大判カメラにはこの規格のネジ穴があります。
太ネジと細ネジの規格
カメラ用の太ネジと細ネジの規格は以下のようになっています。
太ネジ=3/8-16UNC 外径が3/8インチ(9.5mm)
細ネジ=1/4-20UNC 外径が1/4インチ(6.35mm)
長さはどちらも4.5mm
雲台と三脚を連結するネジは、たいていの場合、小型の三脚にはカメラと同じサイズの細ネジ、中~大型の三脚には太ネジ(抜いてひっくり返すと細ネジ)が使われています。
雲台のカメラ取り付けネジが外せるタイプのものでは、太ネジの取り付けネジがオプションで販売されているものもあります。
ネジの寸法は大別してメートルねじ(ISO、旧JIS)、インチねじ(ユニファイ、ウィット)に分かれ、ネジ径とネジ山の密度でサイズが決まっています。
UNCはユニファイ並目ネジという規格で、20UNCは1インチあたり20山を表します。ネジ山とネジ山の間の長さをピッチといい、ピッチサイズによって並目、細目等の呼び名があります。
雲台プレートのネジ(凸)をオス(雄ねじ、おねじ)、カメラの底にあるネジ穴(凹)をメス(雌ねじ、めねじ)といい、ボルトとナットでいえばボルトがオス、ナットがメスになります。
家庭用電源のコンセントに挿す電源プラグやヘッドホンのプラグ等も挿すほうがオス、挿される方がメスという呼び方をします。英語でもmaleとfemaleです。
そのうちにこれらの呼び方がポリコレ的に正しくないと誰かがネジ込んできて、論争になるのではないかと想像しています(笑
とまあネジの話をすると長くなるので止めますが、カメラ用のネジとしては太ネジ、細ネジを押さえておけば十分です。
太ネジと細ネジの変換
変換アダプター
三脚の雲台取り付けネジが細ネジで、雲台が太ネジの場合、3/8→1/4インチ変換アダプターを付けると取り付けできるようになります。
アダプターはいくつかのメーカーから販売されていますが、高さが5mm~11mm程度の範囲で数種類ありますので、使用する雲台等に合ったサイズを選びます。
また、マイナスみぞ部分のサイズが若干違ったり、裏側が平らなものや斜めに切ってあるものがあり、取り付ける部分の形状によっては微妙にはみ出して段差ができてしまうことがあります。
このアダプターにはコインで回す溝(マイナスみぞ、スリワリみぞ)があり、通常はコインやコインドライバーで回せますが、写真左のものは溝の幅が狭く、コインが入りません。
この溝のサイズは規格で決まっているのか知りませんが、たまにこういうのもあります。
先日、雲台に付いていた変換アダプターを外そうとしたら、マイナスみぞが細いタイプでした。
1円玉もコインドライバーも入らず、結構固く締まっていたためなかなか外せませんでした。普通のマイナスドライバーでは幅が狭すぎ、緩く締まっていれば片側だけ引っかかれば回せるのですが、今回のはダメでした。
コインドライバーをもう一つ買って薄く削ろうか、などと考えながらガラクタ箱の中を漁っていると、以前使ったステーの切れ端が出てきました。幅と厚み、先端のカーブがちょうどいい感じになっています。
試しにこれで回してみると、簡単に外すことができました。また使うことになるかもしれないので、今はカメラ用小物入れに入れてあります。
ソケットレンチにも1/4インチと3/8インチ
1/4インチと3/8インチといえば、ソケットレンチの差し込み角の寸法にも1/4インチと3/8インチがあります。
下の写真のソケットレンチはいずれも10ミリですが、差し込み角は左から1/4インチ、3/8インチ、1/2インチになっています。
いずれも世界共通の規格です。
カメラ用で1/2インチは無いと思いますが、カメラネジとソケットレンチで同じ1/4インチと3/8インチというサイズが使われています。
数字が同じなのは何か理由があるのかたまたまなのか知りませんが、あまり直接関係がないと思われるカメラネジとソケットのサイズの数字が世界共通の規格になっているというのは面白いですね。
そーいえば標準フォンプラグも1/4だし、このサイズはインチの世界では使いやすい寸法なのかも。
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