Windowsの15インチモバイル機が欲しい

2018年10月26日

2012年12月27日にNECからLaVie X という15インチUltrabookが発売されました。

lavie-x

CPUはCore i7、LCDはフルHDのIPS、ストレージは256GBのSSD。
厚さは12.8mm、重量1.59kgというスペックでした。

発売当初は17万円ほどのプライスタグがついていたようですが、価格comの口コミによると発売からたった1ヶ月後の2013年1月末には値段が10万円を切るという大暴落、3月には8.5万円まで落ちたとあります。
2014年の中頃まで販売されていたようですが、人知れずディスコン。後継機はありません。

おそらくNECでは誰も思い出したくない黒歴史になったであろうという失敗作ですが、何が原因だったのでしょうか。
理由のひとつはメモリーが最大で4GBしかなかったことでしょう。

同じ2012年の6月にMacBook Pro Retina 15インチが発売になっていますので比較してみます。
重量が2.02kgとLaVie Xより430gほど重くなりますが、モバイルできない重さではありません。
スペックを見ると、LCDは2880×1800(QuickResというアプリを使うと3840×2400まで表示可能)、SSDは768GBまで可能、メモリーは16GBまで、外部GPUも可、とまあ、金に糸目をつけなければいくらでもスペックアップできてしまうので、ほとんど話にならないくらいNEC LaVie Xは負けてます。

結局、薄いだけが取り柄の低スペック機、というのが失敗の理由と思われます。
薄いというのは持ち運びにはいいかもしれませんが、数字だけ追って必要以上に薄くしてしまうのは設計的に無理をして壊れやすくなったり、メモリーは増設できずバッテリーも小さく、キーストロークが浅く打ちにくいキーボードになったりと、メリットよりデメリットのほうがはるかに大きいと思います。
薄すぎてケースに入れないと不安で持ち歩きできないのだったら、どれだけ薄くてもなんの意味もないし。

というわけで、大画面ノートが欲しくてそれが軽いに越したことはないけれど、「薄さ」に価値を見出さない人にはなんのメリットもない機種になってしまったのでありました.。
MacBookPro15インチは十分に成功作といえるので、結局LaVie Xはコンセプトがダメだったってことでしょうか。

さて2015年も中頃になったいま、15インチで2kg前後、LCDは3K以上で非光沢という条件でWindows機を選ぼうとすると、選択肢はThinkPad T550しかありません。
似たようなスペックではDELL Inspiron 15 7000というのがありますがLCDは光沢のタッチパネル。他のメーカーの3K4Kパネルのモデルは据え置きAV用か消費電力の大きいGPUを積んだゲーム用しかありません。

t550
T550

T550の面白いところは2242のM.2スロットが2つ空きになっていて、M.2 SSD×2個+2.5インチSSDという構成ができそうな気がするし、アンテナ線があればWWANカードを入れてやればMVNOでモバイルもできそう(な気がするだけかも。技適的にも微妙かも)。
ThinkPadも近年はかなりコストダウンされていて、拡張性や整備性は以前にくらべ悪くなっていますが、こういう芸当ができるPCなんて他にないし。

またLCDの品質がおおむね悪いLENOVOの中では、パナソニック製の3Kパネルを採用したT550はかなり良い方です。
ただ10キーはいらないと思いますし、アメリカのレノボのサイトのT550のレビューは「10キーなんかイラネ」という意見が大半。

ThinkPadのT5x0系の生産が続いているところをみると需要はあるのでしょうが、T550のライバルになるような機種が他のメーカーにひとつもないというのが残念。できれば日本のメーカーの製品を買いたいと思いますが、売っていないのでは話にならないし。どこかのメーカーでT550的な機種を作ってくれませんかねえ...

ところで...
LENOVOの中の人(ThinkPadのデザインを長年手がけている人)がThinkPad史上に燦然と輝く銘機・ThinkPad X300の復刻について書いたら大反響。
http://blog.lenovo.com/en/blog/retro-thinkpad-time-machine/
http://japanese.engadget.com/2015/06/30/thinkpad/

X301の後継としてX302を出して欲しいし、それの15インチ版・X502があれば、ちょうどMacBookProの13インチ・15インチの対抗馬としてイケるんじゃないでしょうか...などと妄想する今日このごろでありました。